プライマリーオイルが漏れてしまったためお客様自身で車両を確認したところ、プライマリー周りのボルトの緩みとエンジンマウントボルトの折れと緩みを発見し、引き上げの依頼をいただきました。
状態を確認するために車体を下から覗いてみましたが…どうやらエンジンを降ろさない事には修理できそうにありません^^;
プライマリー周りを分解し確認したところ、プライマリーインナーとクランクケースを連結しているボルトも全て緩んでいる状態です。
今回はエンジン自体を分解する必要がないため、エンジンの腰上が付いたまま車両から降ろします。
ハーレーのフレームとエンジンのクリアランスは数センチしか余裕が無いので、一人で降ろすのはなかなか難しいので店内に転がっていた端材を組み合わせてエンジンハンガーを製作。
なんとかエンジンを降ろし…
折れてしまったエンジンマウントボルトを摘出。
折れてはいませんでしたが、緩んでいた方のネジ穴もかなり摩耗しているのがわかります。
ちゃんと締まっていた方のネジ穴と比較すると一目瞭然です。
ヘリサートを挿入しネジ穴を修正。エンジンを載せ直します。
こちらの車両は過去にプライマリーケースのボルトを折ってしまった事があり、奥にボルトが残っている状態でしたのでコチラも摘出します。
今回交換予定の古いボルトに穴を空けてガイドを作り、ネジ穴に詰まっているボルトに下穴を空けてから…
下穴よりも大きい左回転ドリルで穴を空けながら抜き取ります。
プライマリーケースの固定穴に挿入されていたヘリサートが若干怪しかったのでコイルを取り出して新しいものを挿入。
あとは、ばらしたプライマリー周りを新品ガスケットと新品ボルトで元通りに組み上げて完成です!
今回、クランクケースとインナープライマリーケースのOリングの受け部分が破損してしまっているため、純正のOリングは使用せずに社外のガスケットのみでの組付けとなっています。
この車両は以前からプライマリケースのボルトが緩む症状があり、何度か増し締めや修理をしていたとの事です。
おそらく、以前からエンジンマウントがしっかり固定されていない状態にあり、エンジンとプライマリーケースに振動で力が加わっている状態だったのだと思います。
今回、エンジンマウントをしっかり固定出来るように修理しましたので、プライマリーケースが緩んでしまう症状は改善した事でしょう!