他店で修理した車両の再修理が地味に多いカクタスガレージです^^;
他店での購入車両でも、個人売買での購入車両でも、暴走族や違法改造車で無い限りは基本的に受け入れていますのでお気軽にご相談ください!
フロントフォークの再修理というのは地味に多い作業です。
オイル漏れ修理後の再発の殆どは本来は交換すべき部品の再利用やインナーチューブの傷や錆びを見落として対策しなかった事が原因です。
今回は、その両方?が発生してしまったトラブルの修理がありましたので紹介します。
(ブログに載せる予定ではなかった車両のため写真を撮っていませんでした^^;)
別のショップで1年程前にメンテナンスしたフォークが再びオイル漏れをおこしてしまったとの事で修理の依頼です。
倒立フォークのフェンダーステーが破損してしまったため、オーナー様自信がネットオークションで中古のフォークを入手。
それをバイクショップへ持ち込み中古フォークのオイル漏れを修理した上でASSY交換してもらったとの事です。
そして1年ほど経ち…その修理した側のフォークからオイル漏れが再発。
話を聞いた段階で想像したのは前回の修理時の部品再利用の問題。
依頼の車両はフォークが別車種の物になっていたので部品を特定出来なかったのかもしれません…
実際に、左右のフォークのダストシールを比べると組み付けられているスプリングの太さが若干違います。
フォークのオイル漏れの原因はオイルシールの不良が殆どですが、そのオイル漏れを修理する時に交換すべきパーツはシールのみではありません。
フォークの中のメタル(ブッシュ)を交換しないと、フォークの僅かなガタからシールに掛かる負荷が増えてオイルシールの寿命を極端に縮めてしまいます!
車種にもよりますがブッシュの部品代は片側で3000円程ですからケチらずに交換しましょう!
フォークをばらしてみると…1年前に交換した物にしては変色があるので、おそらく前回は交換していないのでしょう。
見た目にダメージはなくても摩耗によりガタが出ていることが多いです。
また、フォークの分解の際にはブッシュ同士をぶつけてシールを抜き取るので再使用は厳禁です!
フォークの外見や太さ、スプリング自由長など、マニュアルから拾い出せるスペックを比較して流用元車両を特定し部品を発注します。
そして、組み立ての為にインナーチューブを磨き上げている最中に問題が発覚!
インナーチューブに謎の打痕が大量にあります。
インナーチューブ単体で部品箱にでも保管されていたのか?と言った感じです…
フォークの露出部分なら石はねなのですが…アウターチューブに隠れてしまう部分にも大量の傷があります…
オーナー様と相談の上、傷を磨いて組み付け様子を見るという事になりました。
幸い、フォークのオイルシールが摺動する範囲に有る傷は小さい物でしたので出来る限り研磨…
アウターチューブ内の傷もブッシュが摺動する範囲内を徹底的に磨いて出来るだけ段差をなくしておきました。
そして、組み付け時に打痕の原因がわかりました。
このフォークはブッシュ部分が深く…一般的なオイルシールを打ち込む工具では叩き込む事が出来ません…
恐らく…ブッシュを叩き込む際にドライバーか何かで叩き込み、インナーチューブを叩いてしまったのでしょう。
カクタスガレージでは傷が着くような組み付け方はしませんのでご安心ください!
無事、組付けを完了し油面調整等々終わらせて完成です。
インナーチューブに傷があるため再びオイル漏れが発生しないか様子見の状態となりますが、元よりは確実に良いコンディションとなっています!
前回、別の店で作業した段階でインナーチューブに傷があったのなら普通はオーナー様に相談すると思いますが…
相談がなかったという事は分解時にはインナーチューブに傷はなく組み付け時に傷を付けてしまった可能性が濃厚です。
仮に元からの傷でも、不良が発生する可能性が非常に高いインナーチューブの傷をオーナー様に相談せずに組み付けるなんて事はあってはいけません。
そもそもダストシールが違うものが付いていたという事は…フォークの種類を特定せずに作業をしている可能性があります。
オイル量なんかはいったい何を基準に調整したのか…
どちらにしろ、大切な愛車を任せるには「?」なショップかもしれませんね…