TL125 イーハトーブのエンジンの修理のご依頼をいただきました。
煙吐きが酷かったため既に中古でエンジンを載せ替えをし、元々のエンジンを修理したい、との事です。
中古エンジンと元々のエンジンを比較するとシリンダー周りのサイズが違うため、ボアアップシリンダーが組み込まれているだろう…との事です。
まずは、エンジンを開けて現在のボア、ストロークを測定します。
測定結果は
ボア66.0mm ストローク49.5mm
ピストンには刻印がなくART工業のマークのみでしたので市販車パーツではない事が判明。
ソレを元に調べていくと…コンペレーサーのRS200Tのシリンダー加工品とピストンが使われている事が判明。
TL125もRS200Tも既に殆どパーツが出ませんので流用パーツで修理します。
シリンダー内は過去に錆びてしまった事があり全体的に腐食&傷が酷かったので0.5mmのボーリングを行いました。
ボーリング用オーバーサイズピストンも当然手に入りませんので別車種用66.5mm社外品を加工して使うことに決定。
ピストンのコンプレッションハイトが違いヘッドと干渉してしまうためトップの削り落とし加工を行ってあります。
ヘッドガスケットもRS200T用は出ませんので類似車種の物を使用します。
バルブスプリングも一本金属疲労で折れていましたので全て交換。
その他、バルブのすり合わせ、シール交換、各部清掃等を行いました。
大量にオイルを燃やしながら走っていたため燃焼室やポートはカーボンの蓄積が酷かったです。
あとは、各部トルク管理しながら組み上げて完了です。
ピストンの形状が変わっているため、元々のRS200Tのピストンよりは圧縮が上がっています。
ボアアップ車のため基準はありませんが…
電動で回しているため測定回転数が高い事や冷機状態での測定である事を考えると丁度良い位でしょう。
このような特殊な事例も出来る限り対応させて頂きます。
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